トゥルー・ファミリー/わが子を抱きしめて

Switched at Birth  (1999年) アメリカ
監督:ダグラス・バー
出演:メリッサ・ギルバート(サラ・バーロウ役)、ロザンナ・アークエット(リンダ・ウェルズ役)、デビッド・アンドリュース(ジェームズ・バーロウ役)、ジェームズ・マキャフリー(ダリル役)

このドラマについて
実話のドラマ化ということ。アメリカではよくこういった病院での赤ちゃんの取り違い事件がドラマの中にでてくることがあるが、実際どうなんだろう? 本当にそんなにたくさんの事件が起きているのかな、と思う。ありそうな話だけにちょっと怖い感じもするのだが、母親なら、いや女性なら、自分がこんな立場になったらどうするか?、と考えてしまうテーマだろう。
出産当日、病院のスタッフが同日同時刻に生まれた別の赤ちゃんと自分の赤ちゃんを取り違えてしまい、誰もそれに気づかずにいる。両親はもちろん、目の前の赤ちゃんが自分の子供であると信じている。それがある日、その子はあなたの子供ではないと電話で告げられたら…。

感想
このドラマの中では、子供は取り違えられたまま育てられることになる。お互いの家族が本当の我が子のことを非常に気にしつつも、出産当日から我が子だと信じて育ててきた相手の子供を手放すことも出来ない。とても複雑な心理だ。お互いが有能な社会人として働き、社内結婚して、不妊治療の末にやっと子供が授かった一方の夫婦は高級住宅地に住む裕福な一家であり、もう一方はシングルマザーである。彼女は腐れ縁のだらしのない男に妊娠したとたん逃げられ、自分の両親や姉の家族に支えられての出産を決意する美容師。どちらの家族も子供を深く愛し、家族の絆が強いことには変わりないが、その環境や考え方はかなり違う。それが現実だ。

子供の取り違えを知ってから、どうするべきかと幾度も話し合いを重ね、専門家にもアドバイスをきくが、彼らはこのままにすると決意する。そこへ、逃げ出した男が戻ってきて親権を主張してややこしくなり、裁判沙汰に。

理想や憧れはいろいろあり、高いものでもいいけれど、実際の生活はよく言う「価値観」がだいぶ違うとやはりうまくいかない。親しくなったはずの母親同士もぎくしゃくするが、結局二人は自分達二人だけでよく話し合った結果、この困難を乗り切るというラストになっていた。

子供の取り違え事件によって、母親自身も強くなり、自分に自信を持って生きる生き方を見つける。母親の強さを見たドラマであった。こんなことが現実に起こったなんて、と思うが、事実、映画や小説のような人生に翻弄される人はいるわけで、そして現在進行形の人たちも存在するわけで、そう考えると、私自身のあれこれ尽きない悩みも平平凡凡だなあ、などとため息をついてしまった。

私は人の人生には誰しも何らかのその人自身の使命があるものだと信じているけれど、こうしたドラマを観ていると、ほんの小さなことがきっかけである日突然、自分の考えてもいなかった人生へと変化していくということの驚きや、人生には自分自身ではどうにも出来ないことがあるということを実感してしまう。

それは自分では望まない形であるにせよ、もし私の人生の使命であるとしたら、それを悟る日は来るのだろうか? あるいは、そうとも気づかずに懸命に生きることが出来るだろうか? 人生の意味とは、答えの出ない質問だと痛感する瞬間だ。(2005/02/23)


出演者情報

  • メリッサ・ギルバート Melissa Gilbert
    「大草原の小さな家」へ
  • ロザンナ・アークウェット Rosanna Arquette
    芸能一家の長女として生まれた彼女が一躍有名になったのは、「グラン・ブルー」だろう。この役はとても印象的だった。出演作はたくさんあるが、近年では初監督作の「デボラ・ウィンガーを探して」が注目された。なかなか個性的な女優なので好き嫌いがはっきりでそうだが、「トゥルー・ファミリー」でも自由に生きる女性を演じてメリッサ・ギルバートと対照的な雰囲気を醸し出していた。
  • デビッド・アンドリュース David Andrews
    顔を見れば、「あ、見たことある」と思うかもしれない。私もそうだったのだが、彼は「アポロ13」や「ワイアット・アープ」などに出演していた。他に「プレッシャー/壊れた男」、「ターミネーター3」、「ハンニバル」、「ファイト・クラブ」などの映画にも出演。テレビにミニシリーズの「人類、月に立つ」にも宇宙飛行士役で出演しているよう。
  • ェームズ・マキャフリー James McCaffrey
    「ハイテク武装車バイパー」(未見)のジョー役がきっと有名。二枚目だけど、この作品の中ではどうしようもないろくでなしを演じていた。きっとバイパーのジョーの方が数倍もかっこいいと思う。他には映画「好きと言えなくて」など。

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