帰郷 荒れ地に燃える恋

The Return of the Native(1994年)英
監督:ジャック・ゴールド
出演:キャサリン・ゼダ・ジョーンズ(ユーステシア役)、クライブ・オーウェン(デイモン役)、レイ・スチーブンソン(クリム役)、スティーブン・マッキントッシュ(ディゴリー役)、クレア・スキナー(トマシン役)

このドラマについて
ユーステシアは祖父と暮らすために閉鎖的な故郷に戻ってきた。しかし、その美しさと行動で村人達からは批判的な態度をとられ孤立している。村の独身男は皆その美しさに惹かれ、身を滅ぼすというのだ。「篝火の日」であるその日も、密やかな噂が流れていた。宿屋の主人デイモンは伯母の元の身を寄せていた愛らしい女性トマシンと結婚をする予定だが、結婚証明書が手に入らず日延べになってしまう。それはデイモンが元恋人のユーステシアとの恋が終わっていないせいだというのだ。果たして、その噂は真実だった。今だ激しい思いを彼女にに寄せるデイモン。しかし、ユーステシアは今一つ踏み切れない。村を出たい彼女にはデイモンでは物足りないのだ。そんな時、トマシンの伯母の元にパリに滞在していた息子クリムが戻って来る。華やかな街で仕事に成功したハンサムな男性。ユーステシアと当然のごとく恋に落ち、周囲の反対を押し切って結婚するが、思わぬ不幸が……。原作がトマース・ハーディのテレビ映画。今となってはキャサリン・ゼダ・ジョーンズが出ていることが注目される作品かも。クライブ・オーウェン、スティーブン・マッキントッシュも一部、ファンの間では騒がれている俳優と言うことで注目。


感想
ヒロインにキャサリン・ゼダ・ジョーンズ。デイモンにクライブ・オーウェン、クリムはレイ・スチーブンソンです。私は原作者のハーディが好きではないので、そのせいもあってか、正直なところ内容には感動や涙はありませんでした。

 このドラマの中ではユーステシアは、なかなかやり手の美女のように映ります(原作の方は読んでいないので知らない。もしかしたら、不運な薄倖の美女なのかも知れない)。自分の野望のために、その美貌と相手の気持ちを利用するしたたかな女。

クリムがパリでの事業をやめて地元で学校を開くと言いだし、失明しかけると一度は捨てたデイモンをけしかけ村を出ようとする、その結末は不幸な結果となります。自分の幸福に貪欲なのはいいとしても、そのやり方が私の性には合いませんねえ。こういう女友達は持ちたくないものです。

ラストはかわいそうだと思うか、しかたないと感じるか、観る側の考えにかかっている気がしました。演じるキャサリンは、このヒロインのしたたかさをうまく見せてくれていると思います。個人的にはこのあとに出演した「ブルー・ジュース」の方が好きですが、今の彼女を観るにつけ、女はいろんな意味で磨かれて美しくなるのだなあと実感します。(2001/06/06)