フォーエバー・ロード

LEAVING NORMAL 1992年 アメリカ作品
監督:エドワード・ズウィック 製作総指揮:シドニー・ポラック
出演:メグ・ティリー(マリアン役)、クリスティーン・ラーチ(ダーリー役)、レニー・フォン・ドーレン(ハリー役)、パトリカ・ダーボ(66役)、ジェームズ・ギャモン(ウォルト役)、ジェームズ・エックハウス(リッチ役)、ブレット・カレン(カート役)


この作品は日本では劇場未公開。監督はエドワード・ズウィックで製作総指揮にシドニー・ポラックとくれば、今なら公開してもいいかなと思う作品ではあるが(クリスティーン・ラーチの知名度も上がったと思うし)、当時は公開されず、私も未公開ビデオということでレンタルビデオでの鑑賞。

女性二人の友情とロード・ムービーと書くと思い出すのは、この作品よりも前に公開した「テルマ&ルイーズ」。こちらは私は未見なので何とも言えないが、多分似た話ではある。ただ、ひょんなことから犯罪者となり、逃亡するといった過激な内容ではなくて、こちらはもっと地味。その点でも公開に至らなかったのだろうか?

ウェイトレスのダーリーはつらい過去を忘れるように気まま勝手に生きている女性。マリアンはお人好しで信じやすく、その信じた夢に裏切られ続けている女性。この映画は、その二人が「ノーマル」という街で知り合ってアラスカに向かうという話だ。喧嘩したり、泣いたり、慰め合ったり……。観ていてこういう関係は理想だけど、実際にはなかなかこうはいかないよなあ~、友達同士ならなおさら、と思ってしまう。でも、ひとつひとつの台詞が選ばれている感じがして、また、自分を出せることの素晴らしさを感じることが出来て、それがこの映画のポイントなのではないだろうか。

アラスカに行く途中の街で知り合ったハリーといい感じになったマリアンに嫉妬したダーリーは、マリアンから預かった手紙を「私が出しておくね」と言いながらも一度はゴミ箱へ。でも、思い直して拾いに行く、このシーンで見えるダーリーの根の真面目さ、マリアンと喧嘩してアラスカを出て行くと言ったものの、やはり戻ってくる優しさ。正直な二人のぶつかり合いが自分を気づかせてくれる、と言っているよう。

実生活の中では、多分、日本女性はなかなか本音を相手にぶつけない。それは海外ドラマを観ていてもいつも感じることだ。自分を出し過ぎると相手に嫌われる、気まずくなるのは嫌だ、と思い、遠回しであったり、相手とは違う自分の意見はしまっておいて相手に合わせたりする。時にはそうしたことも必要かも知れない。でも、本当の友情を考えたら、嫌われても本音をぶつけなくちゃいけない時もあると思う。それには、自分をしっかりと持って、強い気持ちが必要だけれど……。

現在もレンタルショップにあるのかどうか不明だけど、なかなかの佳作だと思うので、女性には是非観てほしい作品のひとつ。(2012/11/08)

追記:近年、レンタルビデオ店は減ってきているので、もはやこの作品を見つけるのは無理かと感じてしまう。アマゾンで調べたら、VHSのビデオテープを出品者から購入できるよう。たぶん、アメリカではDVDが発売されているんだろうと思う。ネットで見ることもできるかもしれない。Huluとかはどうなんだろうか。昔なら、テレビ東京で放送してくれそうな作品だと思うのだが……。(2019/07/13)

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