24 TWENTY FOUR①

24 2001~2010年 アメリカ作品

このドラマについて
リアルタイムでストーリーが進む新しい形のドラマとして放送当初、注目されていたこの番組。同じタイプでジョニー・デップ主演の映画「ニック・オブ・タイム」(息子を誘拐された父親が主人公)があるが、「24」は週1回1時間(CMの時間も含む)で展開し、1シーズンが24回ある。長い! レンタルでまとめてみれば、前半のストーリーを忘れずに済むが、放送のペースで観ているときっと忘れてしまう。もちろん、前回までのあらすじはあるので思い出しつつ、新たな衝撃の1時間に突入することは出来るが、毎度毎度、「あー、こんないいところで終わり~?!」と叫ぶことになるのは確実。うまい、見せ方を知ってるなあと思わずにはいられない。


本国アメリカでの放送を知って以来、ずっと観たいと思っていたドラマがついに日本に登場して、もうしばらくたつんだなあ、と実感するこの頃であるが、予想通りの爆発的人気に少しだけ複雑な気分というのも正直な感想。ただ、ただ、悪役じゃないキーファーが観たいがゆえの「24」を観たいというミーハーな私の思いは叶えられたが、まさか日本のCMにまで登場するとは、キーファーの意外な一面を見た、と思う。

さて、ドラマは、というと、観る前に雑誌で紹介を読んでいたので、ある程度はストーリーや斬新な手法は知っていはいたのだが、視聴者をひきつける緊張感はやはりスゴイ。リアルタイムで物語が展開することもその緊張感をつなぐ秘訣になっているのかもしれないが、1時間が終わる時、「早く次を観せてよ~」と大人げもなく叫びたくなる気持ちは、子供の頃、読んでいた週刊の連載漫画に何だか似ている。

それにしても、めちゃくちゃスゴイのは、キーファー演じるジャック。キーファーは温厚な青年や一般的な会社員なんていう役よりも、比較的、激情的な役や極悪人といったような役柄が多い俳優だと思うが、その延長なのか、それともこれが原型なのかと問いたくなるような激しさで突き進んでいく。自分ひとりではなく、アメリカの、更には地球の危機かもしれない事が起きる直前なのだから、そして、それを止めることが出来るかもしれないチャンスが自分に与えられており、しかも、そうすることが自分の任務だ、としてもやっぱり普通じゃ出来ないようなことを次々とやってのける。

彼の冷静かつ瞬時の判断力や行動力は、とても並みの人間には出来ないことだ。訓練や経験だけでなく天性のもののなくちゃ、こうはいかないよ、と思いたくなる。はっきり言って、007のジェームズ・ボンドも人並みはずれた技を展開して危機を脱し、任務を遂行するが(その際には秘密兵器も活用するとは言え)、いや~、それに匹敵するすごさ。ジャックは特殊部隊出身者ということでやはり体が資本なのか、と思いきや、パソコンを操る姿はそのエキスパートのようだし、クラスに一人はいた「頭のいい人は何をやらせても上手い(勉強も出来るし、スポーツも得意。音楽や美術も上手、という人、いたでしょう)」タイプの優等生なのか?

ともあれ、こんなすごい番組が日本の地上波の多くのファンが見られる時間帯に放送されないとは! 確かフジテレビで第2シーズンまでは夜中に放送してくれたと思うが、過激なシーンがあるものの、例えば夜10時台や11時台で放送できないものなのか? 一気に見たい気持ちに駆られるのも正直なところだが、一週間待つあのワクワク感、次のその日までの楽しみ、という当日が来る嬉しさやウキウキ気分を味わうのも、ファンの楽しみ方の一つだと思うのだが……。


主人公のジャック・バウアーと演じるキーファー・サザーランド
キーファー・サザーランド(ジャック・バウアー役) Starlight Cafe
言わずと知れた性格俳優と言われるドナルド・サザーランド(顔も声もそっくり。年をとってきてますます、パパに似てきた)の息子。母親も女優のシャーリー・ダグラス。映画デビューはドナルド出演の「ニール・サイモンのキャッシュマン」。

注目されたのは「スタンド・バイ・ミー」。主人公をいじめるこの不良のエース役は印象的だったが、私の中では「世にも不思議なアメージング・ストーリー」の中の1エピソード「最後のミッション」でのキーファーが注目した最初。その頃はかなり彼がお気に入り俳優であれこれ観たのだが、やはり一躍有名にしたのは、「24」のジャック役と言っていいかも。

でも、私のお気に入りキャラクターは「ヤングガン」のドクと「三銃士」のアトス! どっちの作品も時代物だという点では「24」のジャックとは程遠いが、現代ものでは「フラッシュバック」がお気に入り。「乱気流~グランドコントロール」(こちらも役名はジャック)もなかなかよかった。近年の作品は未見のものが多いが、「ワイルド・スタリオン」と「テイキング・ライブス」が観たいと思っている。最新作「ザ・センチネル/陰謀の星条旗」も気になるところだ。

また、「24」もあと3年は続き、映画版も製作されるということなので、しばらくはジャック・バウアーをファンを楽しめそう。さて、どんなゲストが出てくるのか、私にとってはそれも大いなる楽しみ。(2006/08/20)


②第1シーズン(2001~2002年)へ
③第2シーズン(2002~2003年)
④第3シーズン(2003~2004年)
⑤第4シーズン(2005年)へ
⑥第5シーズン(2006年)
⑦第6シーズン(2007年)へ
⑧リデンプション(2008年)へ
⑨第7シーズン(2009年)へ
⑩ファイナルシーズン(2010年)へ
⑪リブ・アナザー・デイ(2014年)へ

追記:現在、このサイトでは1、2、3、5シーズンのみの紹介になっています。他のシリーズも見ていますが更新が間に合っていません。あしからず(2015/010/10)