Theater 5418では女性の生き方を描く映画や海外ドラマ、興味深い歴史上の女性をジャンルを問わず紹介(不定期) どうぞ、お楽しみください

channel36 テス

テス TESS OF THE D'URBERVILLES (1998年)イギリス

監督:イアン・シャープ
出演:ジャスティン・ワデル(テス役)、ジェイソン・フレミング(アレック役)、オリバー・シルバーン(エンジェル役)

感想

 切ない話であることは知っていたが、やはり悲しい物語。いつも感じるのは、作者のハーディは「何か女性に恨みでもあったのではないか?」なんてこと。彼の描くヒロインはあまりに悲しく苦しい人生を送ることが多い。
 美しいテスを巡る2人の男性の愛の形。彼女の揺れる真の気持ち。こうしたストーリーの中では人の身勝手さが目立つ。誰が一番身勝手かということよりも、人を愛するが故に身勝手になってしまう人間の本性。そのことに気づかないほどの強さ。たとえ気づいていても見えないふりをしてしまうくらいの止めようない情熱。どれも真実であり、同時にコントロールできないのが恋愛。第三者には見えることが当人には見えないことも間々ある。誰もが経験したことのあるものだ。
 エンジェルもアレックもテスをこの上なく深く思い愛していることは同じだ。だが、その方法や表現はそれぞれであり、どちらの愛に琴線が触れるのか、あるいは嫌悪を感じるのかは人によって違うだろう。私がテスに共感できないと思うのは、自分が本当に愛しているのはエンジェルと知りながら、アレックを受け入れてしまうことだ。アレックを受け入れたのに、エンジェルを過去に出来ず、そして、再びエンジェルを選んでしまったことだ。テスは産まれた我が子を貧しさ故に失い、たったひとりで埋葬する。その失意の中で得たことは何だったのか、ふと考えてしまう。とことんまでエンジェルとアレックの間で揺れ続けたのは何故だったのか? 彼女の身勝手が2人の男性と我が子を不幸にしたのではないのか、と感じられるのは私だけだろうか?
 そんなところが、「ハーディーは女心がわかってないなあ」なんて感じてしまうところでもあるのだが、それは私自身が女らしくないということなのか? まあ、もちろん私はテスのように美人でもなければ薄幸の女性でもないのだが…。
 この作品はロマン・ポランスキーがナターシャ・キンスキー主演で撮った映画が有名だ。ナターシャのテスは私のイメージ通りで美しい映像だったが、ジャスティン・ワデル主演のこのドラマもなかなかよくできていたと思う。エンジェルもアレックもよかった。特にアレック役のジェイソン・フレミングはうまい!英国紳士の雰囲気をその立ち姿だけで醸しだし、うならせました。さすが!(2011/05/12)

連続ドラマ目次
Channel 36

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