Theater 5418では女性の生き方を描く映画や海外ドラマ、興味深い歴史上の女性をジャンルを問わず紹介(不定期) どうぞ、お楽しみください

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「ストーン」(原題:STONE)2010年 米

  • 監督:ジョン・カラン
  • 出演:ロバート・デ・ニーロ(ジャック役)、エドワード・ノートン(ストーン役)、ミラ・ジョヴォヴィッチ(ルセッタ役)、フランセス・コンロイ(マデリン役)

     後味の悪い映画と言えそう。豪華キャスト、実力派アンサンブルとも言えるキャスティングでどの役もそれぞれの俳優達ははまっている。と言うよりも、それぞれがうまいからこぉの作品ともいえるのか、刑務所のセラピストであるジャック役のデ・ニーロ、服役中で仮釈放を望む凶悪犯ストーン役のノートン、そのいかれた彼女ルセッタ役のジョボビッチ。誰もが一癖ありそうで観る側をドキドキさせることは間違いない。デ・ニーロとノートンのやりとりもその緊張感がひしひしと伝わってくるし、そしてジョボビッチ演じるルセッタに人生を狂わされた男二人の立場が逆転する悲劇を最後までじんわりと見せる。
     殺人を犯した凶悪犯で明らかに「悪」の側にいるストーン、恐ろしい犯罪を犯した悪人達相手に更正のきっかけを与えようとする「正」の側にいるジャック。そして、男達を翻弄する悪女のルセッタ。ストーンを早く出所させたいために、また、その恋人からの指図でもあったのだが、ジャックを誘惑し罠にかけようとする。ミラ・ジョボビッチは毒々しくいやな印象を与えてこのルセッタを演じている。
     ストーリーが進むにつれ、三人の立場はちょっとずつ変化していく。ストーンは、自分の罪に目覚め、悔い改めようと決意し、ジャックは女の罠の泥沼の深みに次第に落ちていき、初めは男の言いなりに動いていただけのはずのルセッタは、男を利用し女郎蜘蛛のようになっていく。さあ、一体誰が一番悪いやつなんだろう?
     はっきり言ってこの映画には好感を持てる人物は出てこない。脇役で少ししか出てこないジャックの妻でさえそうだ。わずかの登場時間でも嫌な妻であることを漂わせている。だが、どのキャラも誰もがなり得る可能性がある、と思えてくる。そこが一番恐ろしい。人が平静に生きるための糧とは何だろうか? それを捨ててまで手に入れたくなるものとは何だろうか? この作品は初めから終わりまで一貫して気持ちよく観られる作品ではない。ラストもすっきり終わらないのだ。それでも最後まで目が離せなくなるのは、この映画の中に人間の業のようなものが見え隠れするからかもしれない。  デ・ニーロもノ-トンもジョボビッチもそれぞれの役に徹した演技で引きつけるし、三人とも演技のうまさは他作品でも既に証明済みなので、その点では安心して観られる。そして、ジョボビッチは「バイオハザード」(「バイオハザードⅤ:リトリビューション」が日本では2012年9月14日から公開)でのアリス役のイメージが強いが、この作品では本当にはすっぱな悪女で見せつけてくれる。私自身は好きな女優ではないのだが、「カフス!」でクリスチャン・スレーターの彼女を演じたときから注目していた女優であるだけに、今後にも大いに期待かな、と思う。

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