2013年4月23日 「京大芸人」、今頃ですが、読みました

京大芸人 (幻冬舎よしもと文庫)タレント本というのは、読んだことはないのですが、「面白い」との評判だったので、そして息子も今年は受験生なので(高校受験)、読んでみました。書いたのは、ロザンの菅広之。京大卒の芸人として有名になっている宇治原君の相方の方です。なんてこと、バラエティ番組を観ない私が言うよりも世間の皆さんの方がよくご存じですよね。私はたまたま観たクイズ番組で宇治原君を知り、ロザンのことはちょっとだけ知っていました。宇治原君は本当に「頭いい人だなあ」と思わせる人ですよね。その親友のことを相方の菅君が書いた本というので、どんなことがどんな風に書かれているのか、確かに興味津々でした。

読み始めると、これがまた面白い。別に内容はコメディでもないし、笑いを取ろうとしているとも見えないけど、高校生の時に知り合った宇治原君との出会いや、そして大学受験のための勉強のこと、その大学受験が芸人になるためだったことなどなどが、管君のわかりやすく面白い文章で書かれています。彼は自分が宇治原君ほど秀才だとは思っていないようですが、それでも頭のいい人なんだろうな、ということは読んでいてわかります。

本当に賢い人は、それほど多くない私の経験上から言っても、ちょ~っと変わった人であることが多々ありますが、宇治原君もそういう人なんだろうな、とテレビを観ていて感じたことが、この本を読むと確認できます。だいたい京大の法学部を卒業したのに(既に在学中に芸人になっていたとのことが本でわかる)芸人になるなんて、と思うのが普通の人の感情。私もそうでした。でも、本当は芸人になって売れるために京大に行ったんですね。恐る恐る宇治原君をこの道に誘った管君に対し、こともなげに「いいんじゃない。じゃあ、そうしようよ」と答えた宇治原君。

う~ん、凄い! 私にはこの一言しかありません。その宇治原君の凄さを管君は書いていますが、その中には二人の男の友情も感じられます。「俺たち親友」といった言葉は一切出てきませんが、すっきりとした(という表現は変かな?)男の友情、相手への信頼が気持ちよく伝わってきて、読後感は爽快とも言えます。映画化されたら面白いのになあと私は思います。若い二人なので自分で自分を演じることも出来るでしょうが、「高校生」という実年齢に近い若手俳優が演じて、二人のさわやかさを見せてくると(そして、所々には大学受験対策勉強も十分に盛り込み)いい青春映画になりそうな気が……。などと私の勝手な妄想が広がってしまいました。

活用できそうな受験対策も書いてあって、多分、笑いながら読んでいた息子にも大いに参考になったと、信じたいです。結果は来年出るでしょうけど。この本は続編に「京大少年」なるものがあるようなので、是非読みたいものです。