高慢と偏見

Pride and Prejudice 1995年 英国
監督:サイモン・ラングトン
脚本:アンドリュー・デイヴィス 原作:ジェイン・オースティン 音楽:カール・デイヴィス
キャスト
エリザベス・ベネット役=ジェニファー・イーリー
ミスタ・ダーシー役=コリン・ファース
ジェイン・ベネット役=スザンナ・ハーカー
ミスタ・ベネット役=ベンジャミン・ホイットロー
ミセス・ベネット役=アリソン・ステッドマン
キャサリン夫人役=バーバラ・リー・ハント
メアリ・ベネット役=ルーシー・ブライアーズ
キティ・ベネット役=ポリー・メイバリー
リディア・ベネット役=ジュリア・サワラ
ミスタ・ウィッカム役=エイドリアン・ルーキス
ミスタ・コリンズ役=デビッド・バンバー
ミス・キャロライン役=アンナ・チャンセラー
ジョージアナ役=エミリア・フォックス
シャーロット・ルーカス役=ルーシー・スコット
サー・ウィリアム・ルーカス役=クリストファー・ベンジャミン
マライア・ルーカス役=ルーシー・デイビス
ミスタ・ハースト役=ルパート・バンシッタート
ミセス・ハースト役=ルーシー・ロビンソン
ミスタ・ガーディナー役=ティム・ウィルトン
ミセス・ガーディナー役=ジョアンナ・デイビッド
フィッツウィリアム大佐役=アンソニー・カーフ

このドラマについて
よい条件の伴侶を得ること、それはいつの世も同じ、と言えばそうですが、このお話は中流家庭の子女がハンサムなお金持ちと結婚する玉の輿のお話ではありません。どれだけの時が流れても変わらない人間の心はあるものです。そのことをこの作品は教えてくれます。そのタイトルが示すとおり、高慢さや偏見、ゴシップに踊らされる様子、見栄や謙遜など、人間が持つ多くの感情や欲望を「結婚」を通して見せてくれているのです。
原作を書いたのは、18世紀の英国の女流作家ジェイン・オースティンです。他の作品では「分別と多感」(映画では「いつか晴れた日に」)や「エマ」が映画化されヒットしましたが、本国英国では「待ち焦がれて」や「マンスフィールド・パーク」なども作られたようです。また、この作品も何度かドラマ化されて放送されたようで、それらも日本で観られるといいですね。
2006年1月には、映画「プライドと偏見」(キーラ・ナイトレイ主演)が日本でも公開されました。感想はこちら(2006/03/04)。

※ジェニファー・エイルは、この作品の紹介当初はエイルという表記であったかと思うのですが、現在はイーリーという表記になっているようです。こちらが英語発音では正しいらしいので、修正しました。

2018/11/9追記:現在、スターチャンネルで字幕版、二カ国版ともに放送中。嬉しい限りですね。地上波でも放送して欲しいものです。原作もいろんな方の翻訳で各出版社から出ています。ここでは河出文庫の阿部知二訳版をアマゾンアソシエイトから選びました。私が最初に読んだもののこの方の訳です。いろんな人のものを読み比べてみるのも面白いかもしれません。


感想
高慢と偏見 [DVD]NHKで初めて放送されたときは、「待ちに待ってました!」という感じでした。そのくらい待ち望んでいた作品。原作を19歳の時に読んで以来、この本は大のお気に入りで、その本がコリン・ファースのダーシー役でイギリスでドラマ化されたと知って、日本での放送を期待しないではいられませんでした。その後、一度だけ再放送されていますが、また放送して欲しいくらいです。もちろん、ビデオに録画して6時間に及ぶこの番組を何度も見て楽しんではいますけど……。

この話はズバリ「結婚」がテーマの一つでもあります。当時は、女子に父親の財産相続権がなかったため、結婚がその後の自分自身の、そして家族の人生を左右する決定的な選択となってきます。当然、お金持ちに嫁ぐことが絶対的な条件でもあるわけです。姉妹しか子を持てなかったエリザベスの母親は資産家の貴族に娘をやることに躍起になっています。5人の娘のうち、一人でも大金持ちに嫁げば、父親が死んだあとでも老後は安泰というわけです。彼女は言います。「この家屋敷をよく知りもしない甥に相続させることになり、彼と結婚したエリザベスの親友の世話になるなんてとんでもないことだ」と。その気持ちも分からなくはないれど、なかなか厳しいものがあるのも事実でしょう。

高慢と偏見〔新装版〕 (河出文庫)今と違って、女性の生きる選択肢は限られた時代。いかに自分らしく、意志を通せるのか。それは現代以上に大変なこと。このドラマでは、いつの世も変わらない女の感情的な言動や、お世辞、噂話などを織り交ぜながら、「結婚」や「自分らしく生きる」ことの大切さを人間の「高慢」と「偏見」という部分から見せてくれます。

私が一番印象的だったのは、エリザベスが姉のジェーンと結婚について語り合うシーンです。「自分が尊敬できる相手と結婚したい」と言ったエリザベス。あー、本当にそうだなあ、と私は実感しました。周囲からせっつかれ続けた独身時代、私はこの言葉をいつもいつも忘れないように心がけていたつもりです。本当に大切なことは、心から自分が望むことを貫けるかどうかじゃないのか。結婚は夢だけじゃなく『現実』だけど、自分の人生のパートナーを選択する時に一番深く見つめなければならないのは、自分自身の心だと再認識させられた作品でした。(1998/12/01)


出演者情報
ジェニファー・イーリー(エリザベス・ベネット役)
Jennifer Ehle。1969年生まれ。私にとっては思い入れのあるこのリジー役。ジェニファー・イーリーは全く知らない女優でしたが、それがかえってよかったのか、想像通りのリジーで、大変気に入りました。今後の活躍も期待したいものです。新作はグゥイネス・パルトローと共演の「Possession」。出演作品は、「オスカー・ワイルド」、「Paradise Road」、「太陽の雫」、「抱擁」など
コリン・ファース(ミスター・ダーシー役)
Colin Firth。1960年生まれ。英国出身。原作のイメージ通りと言っても良いコリンのダーシー役。もちろん、私の抱いていたイメージ通りと言うことですが。ダーシーは最初の印象は本当に高慢で嫌な男かも知れません。そして、それはある意味、ドラマの中でミスター・ベネットがいうように、「(当時の)お金持ちにはよくあること」なのでしょう。彼はなかなか外では自分の素顔を見せられず、自宅のペンバリー館で初めてリジーに本来の姿、あるいは相手に対してしてあげたいという気持ちや自分の思いをなんとか伝えたいという気持ちを表すことが出来ます。彼のこうした変化や実は誠実な深い思いやりのある男性だったということを知っていく過程で、このドラマを観ている女性たちはダーシーに惹かれていったのではないでしょうか? とにかく、もう素敵です。そのひとことに尽きます。演じるコリン・ファースは、私の大好きな英国俳優の一人。日本でも公開されたこの「高慢と偏見」を下敷きにしているという「ブリジット・ジョーンズの日記」(ベストセラー小説の映画化。ブリジット役はレニー・ゼルウィガー。)では、やはりダーシー役です。ハリウッド作品では、嫌味な役も演じていますが、彼の素敵ぶりは変わっていませんね。彼への熱い思いはStarlight Cafeで語っていますので、興味のある方はそちらへどうぞ。
スザンナ・ハーカー(ジェイン・ベネット役)
Susannah Harker。1965年生まれ。英国出身。リジー役のイーリーとは、あまりにも似ていない感じもするのですが、清楚で誰にでも優しい美しい女性ジェインには、あっていたと思います。演じるハーカーはテレビでの活躍が多いようですが、またその姿を日本でも観たいものですね。姉妹も女優として活躍しているよう。「サバイビング・ピカソ」に出演していたらしい。
クリスピン・ボナム・カーター(ミスター・ビングリー役)
Crispin Bonham-Carter。このビングリー役は、少し私のイメージとは違ったのですが、観ているうちにどんどん引き込まれていきました。彼は、「ブリジット・ジョーンズの日記」にも出演し、コリン・ファースと再度共演しています。ドラマ「レリック・ハンター 秘法を探せ」では、ヒロインのシドニーの助手ナイジェルの兄役で、何度が出演しています。ヘレナ・ボナム・カーターはいとこのようです。
エミリア・フォックス(ジョージアナ・ダーシー役)
Emilia Fox。1974年生まれ。英国出身。可憐なジョージアナを演じたエミリア。出番は少ないものの、印象的でした。彼女はアルメイダ劇場の「リチャードⅡ世」と「コリオレイナス」でも出演していました(レイフ・ファインズの相手役)。その時は、私は気づかなかったのですが、そのくらい別の印象を受けました。やはりジョージアナの時と違って大人の女性でした。舞台やテレビなどで活躍しているようです。彼女の父親は俳優のエドワード・フォックス(「ジャッカルの日」、「遠すぎた橋」、「ナバロンの嵐」、「ガンジー」など。最近は「ロスト・イン・スペース」にも出演。またも私の大好きな英国俳優!)です。それをもっと早く(アルメイダ劇場公演の際に)知っていればよかった!

ジェーン・オースティンに関しては緑さんの「Midori’s Room」でも詳しく紹介されています。作家の年表や映画化・ドラマ化された作品について見ることが出来ます。その他の作家もたくさんあるので 是非見て下さいね。

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