2016年7月7日 1994年のドラマ「素顔を抱きしめて」を観ました

ホームドラマチャンネルで「素顔を抱きしめて」というドラマが放送されたので観た。1994年にフジで放送した作品らしい。今回放送してくれたホームドラマチャンネルには、佐野元春の曲をモチーフに小川洋子が書いた短編小説「彼女はデリケート-ベジタリアンの口紅」の映像化で、出演者は西島秀俊と水野美紀、ということで、気になって観てしまったわけだ。

その当時にテレビで観た記憶がないので、1994年って、何してたかなあ、なんて思い返すと既に洋画と海外ドラマにどっぷり浸かっていて、ほとんど国内のドラマなどは観ていなかったかも、と思う。今回、西島秀俊の作品をチェックしてみたら、たくさん出てきて、この前「スクール!!」(2011年)を観た話をここで書いた時に、それが彼の作品の私が観た最初だったわけで、それ以前にこんなにあったのかあ、と全く知らずにいたことに自分がいかに国内作品を観ていないのか、思い知らされた感じ。

さて、ドラマは関西のどこかの街が舞台で、大学の研究員である主人公の佳彦は美しい夕日が見られる川辺のアパートに住んでいる。その彼のもとの突然やってきたおさげに麦わら帽子を被った女性美夏。彼女はレンタルファミリー派遣会社から来た派遣社員で、数日間「妹」を演じるために来たというのだが、部屋間違いだったと帰って行く。それが出会いで、印象的な彼女の口紅に惹かれた佳彦は、また会いたいと告げ、そこから二人の恋物語へと展開。謎めいた美夏の言動にミステリーぽさも感じるのだが、恋愛もの。

佐野元春ファンの私には、作者の小川洋子が「彼女はデリケート」という歌にインスパイアされて書き下ろした短編というところが非常に気になっていたのだが、私の歌から想像するストーリーとは違ってたかあ。まあ、解釈なんて人それぞれだし、小説になるときに自分のアイデアやキャラクターへの肉付けなんかもあることを思えば、歌とそっくり同じになるはずもないのだが‥‥。

内容はともかく、観ていて懐かしい! いろんな小道具や衣装なんかが。ヒロイン美夏のしているイヤリングやクリスチャン・ディオールの口紅、こういうの流行ってたなあ、自分も持ってたなあ、なんて、すっかりおばさん目線になっている自分と懐かしいあの頃が交錯。今は何でもスマホ、携帯電話だけど、ポケベル(今の若い人達は知らない?)も重要な小道具の一つになっていて、それも今は消えた便利グッズのひとつ。

と、懐かし場面満載の昔のドラマを観つつ、主演の二人もすごく若くて年月の長さを感じてしまったのであった。