アボンリーへの道①

Road to Avonlea 1990年~1996年 カナダ作品

このドラマについて
主人公のセーラは、母亡き後もモントリオールで父と幸せに暮らしていましたが、会社を経営する父が横領事件に巻き込まれ、母の姉であるヘティの元に預けられます。そこは、プリンス・エドワード島のアボンリーという田舎。しかも、父を嫌っていたヘティはとげとげしく、従兄弟たちも意地悪。それでも、セーラは持ち前の明るさと負けん気で、父を信じて、ここで生活をしていくとを決意します。
少女向け児童文学にありがちな展開ですが、キャラクターが非常に魅力的で引きつけます。ドラマの中に出てくる小物や部屋の様子や、各家々にローズコテージとかグリーンゲイブルスなどと名前(日本で言う屋号か?)がついているのも女の子には興味を引かずにはいられないですね。20世紀初頭が舞台のこのドラマは、ファッションもとても素敵です。オープニングの映像も美しく、林檎の花のアーチの中を馬車が走っていく姿が物語への導入にも一役買ってます。時々映し出されるカナダの海も太平洋のような明るく暖かい印象ではないものの、アボンリーの自然の素晴らしさをより際立たせ、物語、映像ともに満足のいく作品となっています。


私のお気に入りの作品の一つ。当サイトでも星樹館で紹介している『赤毛のアン』の原作者ルーシー・モード・モンゴメリー原作の『ストーリー・ガール』のドラマ化作品。女性なら少女の頃、誰もが一度は読んだアンの方は、私は大好きと言うほどではなかったけれど、他の作品が好きだったので、この番組がモンゴメリーの原作とあとで知った時は、悔しい思いをしたのです。なにせ偶然、観たときは「子供の番組」と思ってちゃんと観なかった。つまり、この番組の最初の方は観ていない! 再放送の時も! なんてこと!!!

幸いにして、ラストまで放送されたこの番組の後半はビデオに録画したりして何度も見返す楽しみを堪能していますが、セーラがアボンリーにやってくる最初のエピソードを見逃した私は、今でも残念、と時々思っているのです。

後半の見所は、もちろんファンの方達にとっては同じであろうと思いますが、フェリシティとガスの恋の行方。ガスは、すごいハンサムとかインテリとか、スマートと言うのではないけれど、とても魅力的な男性。最後にやっぱり、二人が結ばれてほっと胸をなで下ろした人も多いと思かったのでは?  この番組は、ドラマの終了後に特別番組として「Happy Christmas, Miss King」が制作されてカナダでは放送されたそうですが、日本では放送されないのでしょうか。NHKに密かに期待する私でした。

追記:上記の作品は日本では放送されていないようですが、アマゾンでDVDが購入できるのは発見しました。私は未見ですが、コメントを読むと字幕のみのようです。セーラは出ていない観たいだけど、ファンには嬉しいですよね。私も観たいです。また、ドラマ全体に関しては、後日鑑賞することができました。各シーズンごとに紹介をしていきたいとは思いつつ、現在に至っています。番組自体は終了していますが、おいおい更新していきたい作品の一つです。(2019/07/22)

ルーシー・モード・モンゴメリーに関しては緑さんの「Midori’s Room」でも詳しく紹介されています。作家の年表や映画化・ドラマ化された作品について見ることが出来ます。その他の作家もたくさんあるので、是非見て下さいね。


出演者とキャストについて
サラ・ポリー(セーラ・スタンリー役)
こうした番組の特徴でもあるように、出演している子役たちは、ドラマと共に成長していきます。サラの成長も目を見張るばかり。第5シーズンまでの出演で、それ以降は顔をほとんど見せませんが、どんどん綺麗になっていく姿は、彼女の充実しているであろう私生活をも想像させます。
カナダ出身のサラは1985年に映画デビューして以来、売れっ子で他にモンゴメリー原作のTVドラマでは『丘の上のジェーン』でも主役を演じていますが、『スウィート・ヒア・アフター』が高い評価を得ました。これからも注目の女優です。
出演作:「バロン」、「丘の上のジェーン」(TV)、「エキゾチカ」、「スウィート・ヒア・アフター」、「GO」、「写真家の女たち」他、新作も続々。
ジャッキー・バロウズ(ヘティ・キング役)
セーラの母親ルースの姉であり、キング家の長女ヘティ。教師をしながら妹、弟たちの世話をして生きてきて、ハイミスとなってローズコテージを守ってきました。頑固でお節介すぎるところもあるけれど、心優しい女性です。演じているバロウズは英国出身ですが、カナダで主に活動をしているようです。「赤毛のアン」(TV)にも出演していたので、日本でも顔なじみでしたね。
マグ・ラフマン(オリビア・キング役)
セーラの姉のような存在のオリビア。家事も上手で、行動的で新聞記者として働いたり、ヘティに反対されたジャスパーとも結婚したり、そして二人で缶詰工場を経営したりと子供たちの憧れの女性でもありました。ラフマンはテレビで活躍しているよう。「赤毛のアン」、「アンの青春」(共にTV番組)にも出演しています。
セドリック・スミス(アレック・キング役)
ヘティの弟でキング家の長男であり、フェリシティ、フェリックス、セシリーの父親。キング農場の主です。何故かこの人、私は好きでした。セーラを実の娘のように可愛がり、町でも人望の厚いアレック。こういうお父さんには、やはり憧れますよね。演じているスミスは、やはり、「赤毛のアン」(TV)にも出演しています。テレビで活躍しているようで、歌手としても有名だそうです。
ラリー・ケイドー(ジャネット・キング役)
農場の一家を切り盛りする肝っ玉母さんって感じ。義姉ヘティと時としてぶつかるやりとりも想像できようと言うもの。でも、このドラマで描かれる夫婦愛や家族愛を観ていて、ジャネットのようでありたいなとも感じました。演じているケイドーの作品は日本では「ケインとアベル」で観られそうです。
ゲマ・ザンプローニャ(フェリシティ・キング役)
フェリシティは最初、意地悪な女の子といった印象でした。例えば、「大草原の小さな家」のネリーみたいな。都会のお嬢様であるセーラに少しやきもちを妬いていた感もあります。が、二人は仲のいい従姉妹同士で親友となっていく過程がドラマの中で描かれています。美しい女性に成長したフェリシティはセーラとのふれあいを通じ、心も豊かで強い女性となり、その名の通り最後には本当の幸せを手に入れます。後半は毎回ドキドキもので観ていました。きっとファンならみんなそうでしょうね。演じているカナダ出身のザンプローニャはダンサーでもあるようです。また、ノア・ワイリーと共演した「Pirates of Silicon Valley」(TV)があります。
ザッカリー・ベネット(フェリックス・キング役)
可愛い男の子だったフェリックスも番組の進行と共に少年へと成長し、ラストでは海軍に入隊することにまでなります。うーん、子供の成長って早いと感じた瞬間でした。演じたカナダ出身のベネットは子役として人気のようで、テレビシリーズの「フリー・ウィリー」で主人公のジェシー役を、またサラ・ポリーとは「丘の上のジェーン」で共演しています。
ハーモニー・クランプ(セシリー・キング役)
キング家の次女。優しい少女のセシリーは最初からセーラにも親切にした可愛い女の子。けれど、農場の仕事も好きで積極的に父を助ける姿も。途中で結核にかかり、家族と離れての療養所生活を余儀なくされ、そのことがフェリシティを医学の道へと進ませるきっかけに。
マイケル・マホーネン(ガス・パイク役)
ヴァイオリンを持って裸足で登場したガスはちょっと印象的でした。教育を受けていないガスはヘティの薦めで学校にも通い、ホテルに勤務して副支配人にまでなります。それも愛するフェリシティのため。愛の力ってすごいです。それは、フェリシティも同様にラストの数話で感じるところでもあります。一途で誠実なガスは、ハンサムではありませんが、その性格が出ているような穏やかな表情で人気だったことと思います。私もファンの一人でしたが。
演じているカナダ出身のマホーネンは今後が期待の俳優と言えそう。是非、映画でもその姿を見せて欲しいですね。

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アボンリーへの道③ うるさい、面倒、厄介だけど、救いにもなる家族の形