アリー・myラブ

Ally McBeal 1997~2002年 アメリカ

このドラマについて
弁護士事務所が舞台のこの番組。とはいえ、アリーという女性の生きる姿を描いたもので、難しい裁判のシーンの連続と言うより、彼女の私生活が中心。とびきり美人でもなく、天才でもないアリーだけど、いつも一生懸命。落ち込んだり、起こったり、愚痴ったりしながら、それでも素敵な男性にときめいたり、おしゃれしたり、そしてやっぱり、かつての最高の恋人が好きと自覚する。私は今一人だけど仕事もあるし、いい友達もいるし、それなりに楽しいと自分を励ます姿は今の私たちに重なってきて共感する部分も大いにありますよね。新恋人も登場して、アリーの人生は波乱続きです。

★第1シーズン
NHK総合の海外ドラマはここ数年、話題となっていますね。私も何本もお気に入りがあるし、日本では終了となってしまっている番組の早い再開や再放送を願っています。それは多くのファンが望んでいることでしょう。そんな中での新番組スタート。正直なところ、私はこの作品はノーチェックでした。「えー、どうしてこれ? 他に見たいのがあるのにそれはやっぱり日本では放送されないのー?」と言う疑問とがっかりが同時にありました。でも、とりあえず見てみることに。そして、意外にも、はまってしまったのです。アリー設定は平均的とは言えないけど、彼女の気持ちや自分を励ますあたりなどは、共感できる女性も多いと思います。 新しい事務所に移ってきて、そこに偶然勤務していたかつての恋人が既に結婚していたと知ったときのアリーの複雑な気持ちも「そうだよなー」と思った女性は少なくないでしょ? 私はあまり期待していなかったドラマですが、今後の展開が楽しみ。


★第2シーズン
待望の「アリーmyラブ」の第2シーズンが始まりました。確かにドラマや映画は作り事の世界と言えばそうなんですけど、その面白さというのは登場人物への感情移入とも言えます。主人公のみならず、登場人物の誰かが自分と似ていたり、あるいはそのキャラクターと似た経験や思いをしたことがあったりすることがドラマへの近親感や役者への思いなどに繋がっていくのでしょう。

第2シーズンの第1話は、何だか最初のエピソードとしては不思議というか、日本では取り上げないような内容だったと思いませんか。中年にさしかかった女性と少年の熱い恋が、今は裁判沙汰と言うちょっとショッキングなものでした。でも、考えさせられるものがありますよね。訴えられた女性は、15歳だった原告の青年には大人になったら失われてしまうストレートな感情を彼が持っていたからこそ孤独だった自分は恋に落ちたし、あんな行動にも出たと言います。見ていて私にも何だかこの女性の言うことがわかるような気がしました。本当にそうなのかと考えたりもしましたけど、案外、世間とは、人生や生活とは、そんなものなのかも知れませんね。事件を担当したアリー自身もそれを感じつつ、裁判の終了後、原告の青年とデートをして、でも、もう会わないと青年には告げます。

少年から大人の男に成長する間に失われるものは、感情をストレートに表現し、自分をさらけ出せるという素直さということでしょうか。それはある意味、本当でしょうし、またある意味少し違うと言う気もします。いえ、そうであって欲しいと言う、私の密かな願いでしょうか。同じように女も少女から大人の女に成長する間に失われるものがあるとすれば、無くしたもの故に理性を保つことが出来ないほどの感情に揺さぶられると言うことでもあるのかも知れませんね。ただ、私は失うものと同時に得るものもあると思いたいのですが……。切ないエピソードでした。

さて、新たな女弁護士も加わって今後どんな展開になるのか、気になるところですね。個人的には前シリーズに別の法律事務所の弁護士役でゲスト出演したディラン・マクダーモットにまた登場してもらいたいなーなんて淡い期待を抱いているのですが、それよりも彼が主役らしい「The Practice」の方が見たいからTV放送してくれないものかと、ちょっと浮気心が出ている今日この頃です。

追記:第4シーズンまでは見ましたが、その後、くじけて見てません。ジェームズ・マースデンが第5シーズンに出ていたことを思うと残念!
さらなる追記:第4シーズンでは、ロバート・ダウニーJr.が弁護士役で登場し、アリーとカップルにまでなりましたが、結局ふたりは破局し、ロバートも降板。この番組ではおなじみの歌手ヴォンダ・シェパードとのデュエットもあり(アリーのために歌う)、彼にしては割と癖のないエリート弁護士風でなかなかよかったのに残念。彼が降板して、一気に続きを観る気が失せたのでした。(2019/07/20)


出演者とキャストについて
キャリスタ・フロックハート(アリー・マクビール役)
役ではずいぶん若いことになる彼女。ホントに若く見えます。ブロードウェイなどの舞台の経験もあるとのこと。なかなかの実力派です。彼女は94年の「Naked in New York」にも出演していたよう。長年、観たいと思っていたこの映画、いまだレンタルビデオで見つけることが出来ません。日本では観られないのでしょうか???
出演作:「バードケージ」、「真夏の夜の夢」など

リサ・ニコール・カールソン(レネ・ラディック役)
アリーと親友役のリサは実際は5歳も年下。ちょっと意外です。本音で言い合える親友というのは、実生活ではなかなか巡り会えないですよね。その上、nice body。うまくやっていくのは難しいかな。
出演作:「ER 緊急救命室」(TV)、 日本では先日、1999年のTV「Aftershock: Earthquake in New York 」が放送されました。

コートニー・ソーン・スミス(ジョージア・トーマス役)
ビリーの妻であり、アリーとも親友になれたはずが、哀しい結果になるジョージア。長い髪をバッサリと切ってショートで登場したときは驚きましたが、こっちの方が素敵だなと私は思いました。
出演作:「LA・ロー」(TV)、「メルローズ・プレイス」(TV)など。

ギル・ベローズ(ビリー・トーマス役)
アリーの元恋人であり、忘れられない人。どんな素敵な男性かと思ったら、ちょっと優柔不断すぎやしませんか? 私が最初にギルをみた「ショーシャンクの空に」の時とはずいぶん違うイメージで登場しました。
出演作:「ショーシャンクの空に」、「マイアミ・ラプソディ」、「リチャードを探して」、「スノー・ホワイト」など。

ギル・ベローズ(エレイン・ヴァッセル役)
アリーの秘書役。日本のファンには彼女が好きだという人が多いようです。
出演作:「ステッピング・アウト」、「GO」など。

グレッグ・ジャーマン(リチャード・フィッシュ役)
女性の首のたるみが魅力的だというリチャード役。年上の判事ウィッパー(ダイアン・キャノン)とつきあっていたが、別れた後リンと交際中。フィッシュ哲学なるものをたびたびに口にする変な経営者。
出演作:主にテレビで活躍している模様。キアヌ・リーヴス、シャーリーズ・セロン共演の「Sweet November」に出演。

ポーシャ・デ・ロッシ(ネル・ポーター役)
オーストラリア出身。第2シーズンから登場した美人弁護士。私は結構、彼女が好き。このネルという女性は、あるいは女性から嫌われる女性かもしれないけど、すっきりとした生き方が気に入っている。
出演作:「スクリーム2」など。

ピーター・マクニクル(ジョン・ケイジ役)
この人もリチャードに劣らず、ちょっと変わった人。ネルとの恋の進展が気になりますが、最初彼自身が気にしていたようにやや不釣り合いな感じも?……。「シガゴ・ホープ」でも弁護士役。彼は弁護士顔?
出演作:「ソフィーの選択」、「ハウスシッター」、「アダムス・ファミリー2」、「シカゴホープ」(TV)、「ビーン」など。

ルーシー・リュー(リン・ウー役)
強烈なインパクトで登場のリン。ネルのクライアントであり、親友。いいペアかも、と感じるのは私だけではないでしょう。今後が注目されている女優です。
出演作:「ペイバック」、「上海ヌーン」、「チャーリーズ・エンジェル」など。