グリム・ブラザーズ/スノーホワイト

The Grimm Brothers Snow White  1997年 アメリカ作品
監督:マイケル・コーン
出演:シガニー・ウイーバー(クローディア役)、サム・ニール(フレデリック役)、ギル・ベローズ(ウィル役)、デビッド・コンラッド(ピーター役)、モニカ・キーナー(リリー役)


公開当時の宣伝では、まるでホラー映画のような印象を受けた作品でした。「本当のグリム兄弟の書いた『白雪姫』は、とても怖いお話だったのです」といいたげな、ただのお伽噺ではない童話。実際、童話は東西を問わず、そうしたものであると言われていますが、私がこの映画で感じたのは、宣伝やチラシ・ポスターから受けたややグロテスクな怖さではなく、人間の心の本当の恐ろしさでした。

父の後妻にやってきた継母であるクローディア(シガニー・ウィーバー)に心を開こうとしない娘リリー(モニカ・キーナ)。結婚した夫フレデリック(サム・ニール)を深く愛するあまり、娘を溺愛するフレデリックの態度からリリーを憎むようになっていくクローディア。その気持ちは、フレデリックとの間にできた息子を死産したことがきっかけとなって憎悪と殺意へと変化していくのです。やがて、それは愛する夫へも向けられていく。

この映画では、女の嫉妬や妬みといった感情、情念を深いところからえぐるように浮き彫りにしています。こんなに人を憎むことが出来るのかと思いながらも、人間の奥深くに潜む醜い感情を否定することは難しい。「愛すること」と「憎むこと」は裏表というのは本当だと見ていて実感してしまうものがあるのです。死んだ息子を「生きている」と世話をするクローディアの愛情とも執念ともつかない行動は哀れでさえあります。

一方、リリーはちょっとのすれ違いもあって、クローディアにはついには心を閉ざしたまま。その彼女の強くなっていく姿が平行して描かれています。童話の方でよく知られている森の7人の小人たちに助けられるというところは、映画では小人ではなく森に住む無法者のような男たちですが、ここでの日々が彼女をより強くします。ラストではクローディアと戦い、瀕死の状態の父を助け出すのです。

愛が人を強くさせるものであるとしたら、人を憎悪で満たし爆発させるものは何であろうか、とそう考えたとき、それもまた愛だと見せ付けられるような映画でした。

さて、この映画の森の男たちの一人を演じるのは「アリー・myラブ」のギル・ベローズです。リリーとの絡みもあってちょっとチェックですよ。(2000/05/07)

追記:サイト掲載当時は、「スノーホワイト」という題名でしたが、現在は、「グリム・ブラザーズ/スノーホワイト」となっているようです。今回の更新でタイトルを変更しました。(2019/07/16)

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