2013年7月公開のチェック映画

終戦のエンペラー(Emeperor) 2013年日本・アメリカ作品
日本公開2013年7月27日

今月公開作品の中では、「最後のマイ・ウェイ」、「31年目の夫婦喧嘩」、「終戦のエンペラー」の3作品が私の中では注目。「最後のマイ・ウェイ」はクロード・フランソワというスーパースターの伝記ドラマ。クロード・フランソワって、よく知らないけど、フランスでは誰もが知っている大スターらしい。その彼の名よりも、日本人が反応するのは「マイ・ウェイ」の方じゃないかと思う。アンディ・ウィリアムズやフランク・シナトラが歌ったこの歌は日本人も大好きだ。しかし、その本家とも言えるこの歌を作ったのはフランソワ。その彼の短い生涯を描いた作品であり、なんとフランク・シナトラ役でロバート・ネッパー(海外ドラマ「プリズン・ブレイク」のティーバッグ)が出ているあたりもちょっとチェックかしら~と気持ちが揺らぐ。

また、「31年目の夫婦喧嘩」は、ベテラン俳優二人、トミー・リー・ジョーンズとメリル・ストリープ共演の夫婦もの。結婚31年目の冷え切った関係の夫婦が、いかにしてその関係を改善させたのか、って感じの話のよう。結婚31年って、すごく長い感じがするが、それは晩婚化が進んだ現代だからかもしれないな、と思う。少し前は結構普通で、そしてその年月は当然かもしれないけど、新婚時代とは違う二人の関係にするには十分な長さ。でも、31年とは言わずとも結婚してしばらくして、二人の間を見つめたときに感じることはこの二人と似ているかもしれない、と思うと興味は湧く。育児を終えた夫婦が迎えた時間が思っていたものとは違ったという話は周囲でもよく聞く。第2の人生が長くなった分、切実な話と言えるこの問題、二人の関係の機微をベテラン二人が演じるなら、やっぱり観ておくべき?

そうは言いつつも今月は、日本人、岡本嗣郎原作(「陛下をお救いなさいまし」)であり、奈良橋陽子がプロデューサーの一人として名を連ねる「終戦のエンペラー」が観てみたい作品トップかも。こちらもマッカーサー役がトミー・リー・ジョーンズ。彼が出演している作品2本が並んだのは偶然。実話がベースにあるだけに、そこは日本人としても非常に興味深いものがあるに違いないと思う。真の戦争責任者を突き止める密命を受けたフェラーズ准将役は、日本でもヒットした海外ドラマ「LOST」で主演を演じたマシュー・フォックス。私にとっては「サンフランシスコの空の下」の長男役がずっと印象的な彼の軍服姿はかっこよさそう(なんてちょっと内容と違う部分でチェックはいってますが)。日本からは、西田敏行や火野正平(いつもだらしない男や悪い男の役のイメージ強い彼が演じるのは東条英機役! 意外ですが、期待を破ってくれるのかな?)、中村雅俊、先日亡くなった夏八木勲、伊武雅刀、そして昭和天皇には片岡孝太郎、と大いに期待できるキャスティング。監督は「真珠の耳飾りの少女」や「ハンニバル・ライジング」(私はどちらも未見)のピーター・ウェーバー。(2013/07/02)