バチェロレッテ -あの子が結婚するなんて!

BACHELORETTE (2012作品)
監督:レスリー・ヘッドランド
出演:キルステン・ダンスト(レーガン役)、アイラ・フィッシャー(ケイティ役)、リジー・キャプラン(ジェナ役)、レベル・ウィルソン(ベッキー役)、ジェームズ・マースデン(トレヴァー役)、アダム・スコット(クライド役)、アンドリュー・ラネルズ(マニー役)、ヘイズ・マッカーサー(デイル役)、カイル・ボーンハイマー(ジョー役)


うーん、と第一声が出てしまいそうな作品だ。予告でのドタバタはあったので、少しは予想していたが、もっとシリアスな一面が描かれているもの、と期待しすぎた。ラストは女性達は少しは成長して終了するのだが、それにしてもあまりにおふざけが過ぎた、という感じ。

キルステン・ダンスト演じるレーガンがそれなりのキャリアを積んでいる働く女性風なのを観る限り、高校を卒業してすぐのOL達ではないのは察しはつく。とすれば、いくら「ええーっ、あの娘が結婚? しかも相手はお金持ちのイケメン? そんなのあり? それなりにかっこいい私達がまだなのに?」と思ったとしても、やり方があまりに大人げない。もはやおばさんになってしまった私としては、「だから、あなたたちは結婚どころか、まともな彼氏も出来ないのよ」、と言いたくなってしまう。

ちゃんと仕事をしているレーガン以外のケイティ、ジェナはどうやらだらけた生活を送っているようでキャリアウーマンというよりもフリーター。不摂生、やる気無しの生活、見かけだけ、なんて言葉が浮かんでくる。おそらくレーガン同様に高校時代は可愛くてもてたであろう様子も今となっては過去のこと、と言えそうな雰囲気。でも、何がきっかけでそうなったのかはわからない。

一方、グループのリーダーであったらしきレーガンは、出来る女子を演じ続けたせいで全く隙がない。しっかりものであるがゆえの弱みを見せられない頑張り屋で長女みたいな存在。ちょっと太っていてトロい印象のベッキーは、このグループの中では浮いている。どうして友達なのか不思議でもあるが、きっと4人の中で一番、今で言う「いじられ」やすい存在だったのだろう。ある意味、仲間の中で一番下で3人は自分がいろんな意味で安心できる相手だ。

女子の中の序列なんて、多分男子と比べたらくだらない。男子のように単純でわかりやすいものではなく、男子が聞いたら理解できない馬鹿げたことだったりする。卒業後の結婚の順番はグループの中でおのずと決まっていて、その通りになるはず、なるべきと全員が思っている(それもくだらない)。

そこへ突然変化球がやって来たんだから、レーガン、ケイティ、ジェナの戸惑いや不安や疑問はよくわかるが、ベッキーの結婚式を取り仕切ることにしたのが、心からのお祝いの気持ちだけだったわけじゃないのは悲しい。いや、案外そんなものかもしれないけど、あまりに下品でふざけすぎで、本当にがっかりしてしまった。今時の女子ってこんなものだろうか? だとしたら、やはり間違った方向へと進んでいる女性社会と思えてくる。

せめてもの救いは、3人がベッキーと仲直りして、反省して、少し大人になったこと。ここが本当の高校卒業かあ(遅すぎるけど)と思う。複雑な女友達の感情を少しのおふざけと嫉妬、あとはセリフで見せてくれると期待していたが、残念でした……。
さて、俳優陣は注目のジェームズ・マースデン、ここでも強気の男性でしたが、レーガンには合ってるかも? でも、「幸せになるための27のドレス」でのケビンの方が私好みかな?(2015/4/15)

2013年2月前半公開のチェック映画

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