アンナ・カレーニナ

Anna Karenina 1997年 アメリカ作品
監督:バーナード・ローズ
出演:ソフィー・マルソー(アンナ・カレーニナ役)、ジョーン・ビーン(ブロンスキー役)、アルフレッド・モリーナ(レヴィン役)、ミア・カーシュナー(キティ役)、ジェームズ・フォックス(カレーニン役)


ご存知ロシアの文豪トルストイの同名原作の映画化。これまでに有名な女優の主演で何度も映画化されている作品です。特に日本でなじみが深いのは35年のグレタ・ガルボ版と48年のヴィヴィアン・リー版とのことですが、残念ながら私は観ていません。本当は、どうもこの手の話は好きではないんです。きっと原作を読めば素晴らしいのかもしれませんが、長編とあって学生時代に読み残してしまった作品を今読むのはなかなか大変で……。なんて言い訳ですが、ということで、映画で見るのもこれが初めてと言うことになります。ショーン・ビーンが出ているから、などというミーハーな気持ちで観てしまったというのが本当のところ。

ソフィー・マルソー扮するアンナはロシア高官の妻で、8歳の男の子を母親です。可愛い息子と優雅な生活を送る日々でしたが、夫との間には今や溝があります。そんな美しい女盛りのアンナの目の前に現れた一人の凛々しい将校ブロンスキー。二人は一目で恋に落ちたとわかりますが、人妻であるアンナとの恋は道ならぬ恋。

さて、この恋の行方は…。当然、成就の出来ないものです。どうしても離れられない二人はすべてを捨ててのロシアからの逃亡を選びますが、根っからの軍人のブロンスキーにはイタリアでののんびり田舎生活は退屈なものになっていきます。けれど、戻ったロシアではアンナにとって精神的に非常に苦しいものだった。その苦しさから逃れるようにアヘンに手を出し、心身ともに滅ぼし、ついには列車の前に身を投げ出すことに。

あらすじを書いていても、やはり苦手と思ってしまうこの話。かなりの長編を短くまとめたこともあって、無理があるとの評を目にします。私は原作を読んでいないので、どこがどう駄目なのかちょっとわかりませんでしたが、アンナやブロンスキーの内面的な部分の描き方が足りなかったかな、と感じます。はしょってる感じが否めない。よく読書で言われる「行間を読め」ってことなのか? と考えてしまう。その分、チャイコフスキーの音楽で場を盛り上げている感じ。本当に音楽は素晴らしい! ローズ監督はこの前に「不滅の恋」を撮っているので、そこで音楽の効果的な使い方を熟知したのでは? と思えてくるほど。

何より、アンナの弱さが私の気に入らないところでもあったりしました。ブロンスキーとの恋は「破滅か幸福か」。絶対的にこのどちらかしなかい恋。しかも、帝政ロシアという時代、安定した妻の座を捨て、真の愛に賭ける残りの人生という道を選ぶことは、幸福のパーセンテージは非常に低い。その彼女には潔い覚悟と確固たる意思と自信が足りなかった、そんな気がしてなりません。愛する男と過ごすだけの時間、それは理想であっても現実には無理。失われた恋焦がれる感情を取り戻したい気持ちには共感するけれど、それを悲恋を貫くことで取り戻すというのは無理だと知るべきでした。私には理解を超えた恋の選択だなーと感じます。それって、すべてを捨てる恋の気持ちを知らないってこと???

一方、ブロンスキーは何とも優柔不断男。軍服で立っている姿はかっこいいが、ふたを開けてみたら…、って感じ。悪い男ではないが、女の気持ちをもう少し察するべきと感じたのは私が女だからでしょうか?

それにしても、とても印象に残ったのは、前半のソフィーの美しさとラスト近くになってからの彼女の風貌の変化です。あの美しさは何処? と思うくらい別人のような顔つき。そこにソフィーの女優魂を垣間見たような気がしました。(2001/09/25)

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