幸せのレシピ

No Reservations 2007年 アメリカ作品 
監督:スコット・ヒックス
出演:キャサリン・ゼタ=ジョーンズ(ケイト・アームストロング役)、アーロン・エッカート(ニック・パーマー役)、アビゲイル・ブレスリン(ゾーイ役)、パトリシア・クラークソン(ポーラ役)


一人で生きてきた女シェフのところに恋と子供が一度にやって来たことで人生が転換する話。有名レストランのシェフとして実力はあるが、頑固で自分を曲げない主人公のケイト。彼女に対してレストランのオーナーはカウンセリングを受けさせている。冒頭にそのシーンがあり、美人で腕のいいシェフであっても問題有りなのだと観ている側にはわかる。ケイトは何故自分がカウンセリングを受けなければならないのか、その問題がわからない。導入はその彼女がどう変わっていくのか期待が高まる。

たった一人の肉親であるケイトの姉が娘を連れて車で訪ねてくることになった。姉はシングルマザー。娘ゾーイの父親が誰なのかは語らない。その二人が途中で事故に遭い、姉は死んでしまう。残ったゾーイを引き取ることになったケイト。姉の葬式やらケイトの手続きやらで店を休んでいる間に、レストランには新しい副料理長が来ていた。イタリアンが専門という陽気なニックだ。いい加減そうに見えるが、ケイトがいるときのぴりぴりした戦場のような厨房の雰囲気はなく、明るく楽しげな様子が厨房スタッフ達には評判が良い。

母を失って環境も変わり、戸惑いの気持ちを上手く表現できなくて、ぎくしゃくした感じのゾーイと、マイペースを崩さず、自分をさらけ出すニック。突然自分の生活に入り込んできた二人に振り回されるケイト。いらだちと困惑ですべてが裏目に出て上手くいかない。どうすればいいのか。

だが、新しい環境を受け入れざるを得ないケイトは、とりあえずぶつかってみる。自分のスタイルを変えるのは誰もが嫌だし大変だろうけど、現実を受け止める早さは彼女が一流のシェフであること(シェフに限らず、どんな職業でも言えるが)の証かもしれない。そして、チャレンジしてみる勇気も。

自分の腕と仕事に誇りを持つことは大切なことだ。しかし、それにこだわるあまり周囲が見えなくなることは結果的にマイナスになる。自分の意志とは関係なく追い込まれた状況、想像もしていなかった現実だが、ケイトは自分の問題に気づき、変わっていく様子は観ている方も嬉しくなる。

何と言っても、相手役のニックが予想以上によかった。アーロン・エッカートはあまり期待していなかったのだが、陽気で思いやりのあるシェフのニックが、こんなにも決まっていたとはちょっと意外?! ケイト役のキャサリンも以前からちょっと太ったかなあ、とは気になっていたけど、やはり美しい! 本当に綺麗な人。気の強い女性の役は合っていると思っていたが、可愛い女の面も見せてくれて、きゅんとさせてくれた。作品自体は大作ではないけれど、良質な佳作と言える作品だ。
ドイツの「マーサの幸せレシピ」のリメイクであるこの作品。内容はほとんどそのままらしい。ドイツ版も観てみたい。(2012/04/27)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です