2015年6月公開のチェック映画

しあわせはどこにある (HECTOR AND THE SEARCH FOR HAPPINESS)
2014年イギリス、ドイツ、カナダ、南アフリカ作品 日本公開2015年6月13日

今月は2014年の各賞で主演女優賞を獲得したジュリアン・ムーア主演の「アリスのままで」が日本でも公開する。先日のカンヌ映画祭でも話題になっていたし、若年性アルツハイマーに罹った女性の家族の話となれば、やはり気になる作品だ。当サイトでも若年性アルツハイマーになってしまった有能なビジネスマンが主人公の渡辺謙主演の「明日の記憶」は取り上げた。

自分の身には迫っていないけど、実に身近なテーマを扱ったものだ。そうは言っても同時にいつ自分がそうなっても不思議ではない、そこに不安と恐怖と、そして人ごとではない身近さがある。だからこそ、避けたいテーマであっても観たい気持ちに駆られてしまう。難しく悲しいテーマの映画であっても、ラストは希望を見いだせるものになっているんじゃないか、と期待しつつ、それでも今月はもうちょっとハッピーそうな「しあわせはどこにある」を私は取り上げたい。

これも多分、今まで何度もいろんな映画で使われてきたテーマ。自分探しと同じ、幸せ探しの話。家族の絆や生と死、愛情と憎悪とったものと同じくらい普遍で解答のない、そして正解もないものだ。誰もが一度は悩み考え、明確な結果を求めている。今回、答えを求めて旅するのは精神科医のヘクターだ。素敵な恋人クララもいるし、何の不自由も不満もない生活を送っていたはずが(そう思っていた?)、患者達の話を聞いているうちに「幸せとは?」という疑問が膨らんで、その答えを求めて恋人を残して世界中を調査しに出かけることに。各地を巡ったヘクターが出した答えとは? といった話らしい。

ヘクター役にはサイモン・ペッグ。いろんな映画に出演している人だが、日本ではトム・クルーズの「ミッション・インポッシブル」でのベンジー役の人、と言うとわかりやすいかも? 私も彼の他の作品は観ていないので何とも言えないのだけれど。クララ役にはロザムンド・パイク。2014年の12月に日本でも公開された「ゴーン・ガール」(こちらも未見だが、ミステリーとのことなので)とは違った印象の役のよう。私も世間もちょっと行き詰まり感が漂う現在、しあわせのおすそわけがあってもいいかなあ……、とこの作品を今月のチェック映画にしてみたりしたのだった。(2015/06/07)