2019年6月公開のチェック映画

ニューヨーク 最高の訳あり物件 (FORGET ABOUT NICK) 2017年ドイツ作品
日本公開2019年6月29日


今月は「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」と「X-MEN:ダーク・フェニックス」といったシリーズのヒット作、そして新シリーズとも言えそうな「メン・イン・ブラック:インターナショナル」と気になる大ヒット作の、ある意味安心感漂う作品が揃っている。どれも当然観たい作品ではある。

でもそれ以上に気になっているのは、新たに製作された「パピヨン」、そしてディズニーのアニメの実写化が続く中でついに「アラジン」が!、と言った印象のこの作品。ウィル・スミスのジーニー役も注目されている。「パピヨン」は私自身はスティーブ・マックイーンとダスティン・ホフマンの73年版がとても気に入っているだけに、観たいけど、がっかりするのも嫌だなあ、とも思う。予告編を見る限りは、主演の二人チャーリー・ハナムとラミ・マレックは悪くないと思うのだが。

そんな中、やはりサイトの主旨に沿って、今回は6月29日公開の「ニューヨーク 最高の訳あり物件」というドイツ映画を選んでみた。実は家族をテーマにしたイタリア映画の「家族にサルーテ!イスキア島は大騒動」も注目かなあとは思っているのだが(ロケーションも素晴らしいし!)、二人の女性が主人公のドイツ映画の方を選んだ。

モデルとして成功し、これからファッションデザイナーとしても活躍するはずのジェイドが突然、夫から離婚を切り出された。残ったのは住んでいたマンハッタンの高級アパートメント。そして、何故か夫の前妻マリアが自分にもこのアパートメントの所有権があると転がり込んできて共同生活する羽目に。ジェイドに夫を奪われたマリア、そして、今度は自分があっけなく夫に捨てれらたジェイド。すべてがまるで正反対ともいえるの二人の女性が、新たな出発をするまでの日々を描いている。自分勝手な夫への仕返し、自分自身の本当の気持ち、「傷ついたのは心じゃない。プライドでしょ」とジェイドに言うマリア。

見えてくるものは何だろう? 人は思い通りにならないことを誰かの、何かのせいにしがち。その方が簡単だし、つらくない。そして、心が傷ついたと言えば、うまく収まる。でもそれは本当の解決じゃない。嫌なことはいつだってある。でも前を向いていこう!
そんな気持ちになれそうな感じがする映画だ(予告編しか観ていないけど)。残念ながら公開劇場は多くない。東京も2館のみだが、時間を作って観に行きたい女性映画。
2018年の第30回東京国際映画祭で「さよなら、ニック」の邦題で上映された作品。(2019/06/02)

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