2019年3月公開チェック映画

マイ・ブックショップ (THE BOOKSHOP) 2018年
スペイン、イギリス、ドイツ作品 日本公開2019年3月9日

今月は既に半月が過ぎてしまい、もはや更新しても、という気持ちにもなるのだが、アカデミー賞で「ボヘミアンラプソディー」のラミが最優秀男優賞を受賞し、盛り上がりすぎた私(とその周辺)が、このショーレースで気になった作品は1日に公開した「グリーンブック」。私はこの主人公を演じたヴィゴ・モーテンセンが最優秀男優賞を受賞するのでは?と予想していたのだが、ま期待外れもありか。ラミは意外ではあったが、正直嬉しい。

同様に気になる作品としては、やっと「アメリカン・スナイパー」を観て、やはりクリントはすごい、と再認識した彼の監督主演作品「運び屋」。またまた実話ベースの高齢男性の末路(?)を描いているようだが、共演者も大物ぞろいで観てみたくなる。

女性が主役の作品としては、今月は”強い女”がキーワードであるかのような印象の作品が続々公開。どの女性たちの作品もそれぞれに興味深い。できるなら全部観たいけど、今月はやはり本が好きという共通点から、「マイ・ブックショップ」を選んでみた。実は「たちあがる女」も気にはなっている。ちょっと地味そうな印象だが、合唱団の講師でありながら、環境活動家としての別の顔も持つ女性が、養子を迎えたことで迎える人生の転機を描いたもののようだ。すでにジョディ・フォスターがハリウッドでの映画化をする予定になっているらしい。

「マイ・ブックショップ」はブッカー賞を受賞したペネロピ・フィッツジェラルドの小説を映画化した作品とのことだ。育児真っ只中が続いていた私は、言い訳になるけれど、読書時間はかつてよりかなり減っていて、この作品もまた未読である。だから内容の詳細は公式サイトと予告編のみでしかわからない。だが、それだけでも十分に期待感が……。

戦争で未亡人となった女性が夫との夢であった本屋さんを田舎町で開業したことで起きる変化。時代も場所も今考える以上に未亡人が書店を開店することの難しさがあったことは想像に難くない。町にはじめての本屋さん。周囲の人たちにどんな影響を与えるのだろう? それを恐れる町の権力者ともいえるガマート夫妻。

たった一冊の本が一人の人生を変えることもある、それを知る人なら、たかが一軒の小さな店、されどちっぽけな取るに足らない出来事とは言えないことはわかる。出会うべき一冊に出会うということは、運命的な奇跡の出会いでもあり、それは大冒険でもあり、大恋愛でもあり、大切な宝物でもある。

本屋さんでの本との出会いを経験し、信じている私には、きっとホロリとくるはず、と確信してしまう作品の一つだ。当時の街並みや風景、人々の生活や衣装・小道具などなども楽しみの一つとなりそう。(2019/03/17)