オスカー・ワイルド

Wilde 1997年 イギリス作品
監督:ブライアン・ギルバート
出演:スティーブン・フライ(オスカー・ワイルド役)、ジュード・ロウ(ポジー=アルフレッド役)、ヴァネッサ・レッドグレーブ(オスカーの母役)、ジェニファー・エイル(オスカーの妻コンスタンス役)、トム・ウィルキンソン、ジェマ・ジョーンズ、マイケル・シーン


オスカー・ワイルドは、日本では『幸福の王子』で有名な作家。私自身はこの劇中で出てくる『真面目が肝心』や『ウィンダミア卿夫人の扇』の方が好きだけれど、この人がゲイだったということを知っている人は意外と少ないのではないでしょうか?……彼の家族は、オスカーの死後もそのことを隠し、素性を隠して生きてきたということ。当時のイギリスでは大変なことだったのでしょうね。

そのオスカー役には、日本ではあまり馴染みがありませんがスティーブン・フライ(追記:2019年現在では日本でも知られた俳優になっていると思います。「ホビット」シリーズにも出ていたし、「シャーロック・ホームズ シャドウ・ゲーム」ではシャーロックの兄のマイクロフト役でした。しかもワトソンはジュード・ロウ!)。ゲイの恋人ボジー役にはじわじわと人気沸騰のジュード・ロウ。オスカーの母親にはバネッサ・レッドグレーブ(出番は少ないのに前衛的な母親役で深い印象を残します。やっぱりうまい女優ですね)。ボジーの厳格な父親役には『フルモンティ』で日本でも知られるようになったトム・ウィルキンソンです。

そして、オスカーの妻コンスタンス役は、BBCのドラマ『高慢と偏見』でヒロインのエリザベスを演じたジェニファー・イーリー。ゲイの夫を持つ妻とは、どんな気持ちなのか、見ていて私は複雑な思いになりましたが、ここでは『高慢と偏見』で見せてくれた優しげなジェニファーの笑顔は同じでも、全く違ったタイプの女性といった印象を見せてくれます。オスカーのその道へ経緯は映画の中でわかりませんが、お互い惹かれあって結婚し、可愛い息子二人ももうけたのに、まるで取り残されたような妻の座をコンスタンスはどう受け止めていたのか。

オスカーが投獄されたあと、出所したらまた家族としてやり直す条件として、彼女はオスカーにゲイの恋人ボジーと完全に別れることを要求します。それは長年の彼女の切なる願いであり、希望でもあり、また、それが彼女のせめてもの抵抗でもある、そんな気もします。そして、時代が時代と言えばそうかも知れないけれど、厳しい状況の中でも夫と別れずにきたのは、彼の才能や財産だけでなく、やはり本当に彼のことを信じ思っていたからなんじゃないかと、コンスタンスの穏やかな表情を見ていて感じました。

さて、この映画に出てきたゲイ・クラブ(?)にはちょっと驚きました。そういう場が、やはりあったんですね。まあ、当然とも言えるのでしょうか? この映画では『モーリス』のようにふんだんにハンサムな俳優が出演、というわけではありません。でも、本当にヨーロッパの美形、とため息漏れるジュード・ロウの美しさを思う存分、堪能して下さい。(1999/12/10)

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