ヒート

Heat 1995年 アメリカ作品
監督:マイケル・マン
出演:アル・パチーノ(ヴィンセント・ハナ役)、ロバート・デ・ニーロ(ニール・マッコーリー役)、ヴァル・キルマー(クリス役)、ジョン・ボイト(ネイト役)、トム・サイズモア(マイケル役)、エイミー・ブレナマン(イーディ役)、ダイアン・ヴェノーラ(ジャスティン役)、アシュレイ・ジャド(シャーリン役)、ウェス・ストゥディ(カルザス役)、デニス・ヘイスバートドナルド役)、テッド・レビン(ボスコ役)、ナタリー・ポートマン(ローレン役)、ウィリアム・フィクトナー(ヴァン役)、トム・ヌーナン(ケルソ役)


ファンの間では長いこと待たれていたデ・ニーロとパチーノの共演。しかも、「ヒート」ではどっちかが主役で片方はちょこっと顔を出すというものではなくて、男と男の闘いを描いて、この二人の俳優の魅力を十分に味わうことが出来る。そう聞いて、この私も胸がときめかないわけはない。その上、「スリー・リバース」以来チェックしていたトム・サイズモアやお気に入りの一人であるヴァル・キルマーも出るというのだから。

情報を聞いたあと、たまたま海外旅行で乗ったノースウェスト機の機内で「ヒート」の宣伝を「これでもかっ」というくらい見せつけられた私の心は、すっかり「ヒート」でいっぱい。早く日本でも公開して欲しいと願いつつ、半年以上待たされてのロードショー。こんなに待たされて、普段はめったに行かない初日に並んで観てしまいました。

ところが、この映画、こんなにまで期待した割にはタイトルから想像していた男の闘いに絞られたものではなかったのです。私は、監督は人気テレビアクションドラマの「マイアミ・バイス」も手がけたことのあるマイケル・マンであっただけに、危険と背中合わせであることに生きる意味を見出すようなハードでシャープな男のぶつかり合いといった展開を想像していました。

30秒以内で逃げることをモットーにする強盗犯マッコーリー(デ・ニーロ)は仲間たちと証券輸送車を襲うが、仲間の一人が警備員を殺害したことで完璧な手筈が狂ってしまう。そして、次の計画に銀行強盗を寝るが、操作に乗り出した殺人課の敏腕刑事ハナ(パチーノ)が小さな手がかりから必要に追いつめてくる。銀行襲撃にも失敗したマッコーリーは逃亡の途中、ついにハナとの対決を迎えることに。
というストーリー展開は、どうしたってそう思うでしょ?

非情な強盗マッコーリーと仕事の鬼とも言える刑事ハナの人間的側面を女性との絡みで見せることで奥行きを出したかったのかもしれないけど、本当に必要だったのか疑問も感じてしまう。それは、「男の闘い」が好きな私のせい? 特にマッコーリーはこれまで私生活など捨てたに等しい生活をしていたのに、何故ここで彼女と恋に落ちるのか(しかも何故彼女なのか?)納得がいかない。と感じるのもファンゆえの相手役女優へのささやかな嫉妬でしょうか?

お互い相手を認め合った敵同志という関係は女にはわかりにくいものですが、女性が好きな甘いロマンスはあえて削って、観客には女の影を匂わせる程度でもよかったのではないか? と感じてしまう。だって、デ・ニーロはそれが出来る俳優なのだから。

そんな中でも特筆すべき点はクリス役のヴァル・キルマーとアシュレイ・ジャド扮する夫婦。二人の別れのシーンは危険に生きる彼らのすべてを代弁しているようで印象的。警察に見張られ、最後の最後で苦しい選択を迫られる妻シャーリンは、夫を救う道を選びます。母であるよりも女であることを選んだ彼女の選択は、「違う」という声も女性からはあがりそうだけど、私は彼女に共感してしまいました。ちょっとほろっ。

噂どおり、監督にはデ・ニーロとパチーノを均等にとの苦労が伺えますが、欲を言ってしまえば、女絡みを削ってでも警察側のメンバーももう少しよく描いてほしかったな。なかなか渋い俳優を揃えていたのだから。(2001/2/14)

追記:今更ですが、この作品、マン監督がTVMで撮った「メイド・イン・L.A.」(L.A. Takedown)のリメイクだそう。こちらは私は未見ですが、機会あれば観たいですね。(2019/07/04)

 

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