ジョージア

Georgia 1995年 アメリカ作品
監督:ウール・グロスバード
出演:メア・ウィニンガム(ジョージア役)、ジェニファー・ジェイソン・リー(セイディ役)、テッド・レビン(ジェイク役)、マックス・バーリッチ(アレックス役)、ジョン・C・ライリー(ハーマン役)


公開当時、観たいと思っていて見逃した1本。とは言っても、なかなか重そうな映画だと言うことは予告編で充分わかっていたので、その後もちょっと手が伸びずにいました。そして、思った通りの重さ。

メア・ウィニンガム扮するジョージアは、人気歌手であり、私生活も優しい夫と可愛い子供に恵まれて充実した毎日を送っています。一方、ジェニファー・ジェイソン・リー扮する妹のセイディは、今一つうだつの上がらぬクラブ歌手。姉のようになりたいと思いながらも、派手な服装でお酒や煙草だけでなく薬にまで手を出す浮き草のような暮らし。この対照的な姉妹のふれあいをこの映画は描いています。

ジョージアは妹が心配だけれど、もう迷惑は掛けて欲しくない。静かな自分の生活を守りたいとも感じている。セイディは故意にではないのだろうけど、結果的には姉に尻拭いをさせるようなことをしてしまう。奔放と言うよりも自分勝手という印象。投げやりとも見えるその生き方にはともて共感できるものではありません。

セイディをひたむきに思う青年とめぐり会い、請われるまま結婚したものも、その生活も破綻します。相手の思いがあまりに重いと負担になるのも事実ですが、彼女には心機一転のチャンスだったのではないか? と、このチャンスを逃した彼女の浅はかさに姉のジョージアならずとも「お馬鹿ちゃんだ」と私は思わずにいられませんでした。それは、私自身も「姉」という立場だからでしょうか?

以前から感じていたことですが、兄弟とは不思議な関係です。この映画のように妹がいる私は、ジョージアの複雑な気持ちを今回はちょっと離れた所から観ることが出来たような気がします。おそらくそれは、現在の自分が結婚して子供を持ったせいなのでしょう。たぶん、独身であったら違う思いを抱いていたかも知れません。ジョージアと似た環境になっていたからこそ、気持ちが入りすぎなかった、そうでなかったら、きっともっと感情的になっていた、そんな気がします。

兄弟姉妹は、この世で一番自分に近い人間です。子供であった自分は、いつか親になることも祖父母になることも出来るけど、兄、姉は生涯決して弟や妹にはなれない。自分達の親が子を持つことを辞めた時点で、兄弟姉妹の関係は決定づけられてしまいます。弟も妹も、兄や姉になることはないわけです。親とも友達とも違う空間・想い出を持つこの関係は、生涯切り離すことも出来ず、またベストな間で居続けることも出来ません。一番愛せる相手かも知れないけれど、逆に一番憎むかも知れない相手。常に相反する思いを抱き続ける相手。この感情を消化することは、とても難しいのでしょうね。ジョージアとセイディのそのあたりも感情のせめぎ合いも、非常にうまく表現されています。

この映画でとても印象的だったのは、現在のストーリーの中に回想シーンのように二人が少女だった頃の想い出のワンシーンが入るところでした。自宅の庭に集まる人々の前で、二階の窓際を舞台に見立てた二人が歌を披露するのです。二人の共有するの想い出。そして、本当に幸せだったあの頃。「人生で一番幸福だった時、それは子供時代」、そんな言葉を思い出し、実感した場面でした。(2001/07/06)

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