2012年12月前半公開のチェック映画

マリー・アントワネットに別れをつげて(LES ADIEUX A LA REINE FAREWELL, MY QUEEN)
2012年フランス・スペイン作品 日本公開2012年12月15日

今月は既に公開した「007 スカイフォール」や8日公開の「砂漠でサーモン・フィッシング」、14日公開の「ホビット おもいがけない冒険」、21日公開の「レ・ミゼラブル」、邦画でも「妖怪人間ベム」と観てみたい作品が目白押し。

そんな中、ここで取り上げたいのは、15日公開の「マリー・アントワネットに別れをつげて」と22日公開の「もうひとりのシェークスピア」。どちらもコスチュームもの。その点では大好きな作品の一つである何度も映画化、ドラマ化されている「レ・ミゼラブル」も紹介したい作品の一つなのだが、今回は15日に公開する「マリー・アントワネットに別れをつげて」、そして後半に22日公開の「もうひとりのシェークスピア」を取り上げたいと思う。

フランス・スペイン製作の「マリー・アントワネットに別れをつげて」は、監督はブノワ・ジャコー、ヒロインはアントワネットの朗読者を務めるシドニーという少女であり、演じるのはレア・セドゥである。アントワネット役はダイアン・クルーガー、アントワネットお気に入りのポリニャック夫人を演じるはヴィルジニー・ルドワイヤンだ。

ヨーロッパ映画に疎い私にはダイアン以外の女優や監督はよく知らないのだが、フランスで権威ある文学賞であるというフェミナ賞を受賞した「王妃に別れを告げて」(白水社)が原作であり、作者のシャンタル・トマもフランス革命には造詣が深いということ。かつて、池田理代子の漫画「ベルサイユのばら」に夢中になり、フランス革命にも興味を抱いた私にはやはり見逃せない一作である。内容は革命についてではなく、シドニー、アントワネット、ポリニャック夫人の3人を巡るもので、ミステリー調の展開でもあるようだ。

ポリニャック夫人の身代わりになって欲しいとアントワネットに頼まれたシドニーの人生の選択やその後がどうなるのか、非常に気になる。このシドニー役のレア・セドゥは、ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル 」で暗殺者サビーヌを演じた女優とのことで、このサビーヌと一転した役所をどう見せるのか、といった点も興味を抱かせる作品だ。また、アントワネット役のダイアン・クルーガー。これまで様々な役をこなしてきた彼女だが、このフランス王妃の役も興味深い。このサイトでも紹介した「アンノウン」では主人公を助ける違法移民の女性タクシー運転手役でアントワネットとは似てもにつかない役。そのあたりの意外性も期待できそう。(2012/12/07)