2013年2月後半公開のチェック映画

メモリーズ・コーナー (MEMORIES CORNER)2011年仏・カナダ作品
日本公開2013年2月23日

外国製作作品で外国人監督であるが、1995年の阪神淡路大震災後の日本が舞台であり、フランス人女性ジャーナリストが取材のために被災地、被災者を訪ねる話となっているこの作品。派手な大作ではないものの、非常に興味深い。まあ、単純に出演している俳優、西島秀俊と阿部寛がいいなあ、という管理人自身の好みの問題も多いにあるものの、地震大国と言われる日本、その災害地である神戸を外国人がどう見るのか、彼の地、そこで死を目の当たりにし、なお生きる人々、あるいは無念にも絶たれた命にどう向き合い、何を感じるのか気になる。

おそらく人は人生において、どんな人種であろうとも、どんな場所で生活しようとも変わらない部分の心を持っていることを知らされることになるのではないか、と私は想像するが、本当に大切なもの、大切なことをずっと守り続けることが出来るのか、そのためには何が必要なのか、あるいはどうすればいいのか、といったころの結論も出るのか見たい気もする。

その点で小品ながらも私の気持ちを引きつける作品。主人公のアダを演じるフランス人女優はデボラ・フランソワ。彼女の作品は見たことがないが、セザール新人賞も受賞したという実力派のよう。通訳の岡部を演じるのは西島秀俊。彼はこのサイトの日常のひとりごとでも書いたが、注目俳優のひとり。謎の男を演じるのは、好きな俳優の一人である阿部寛。國村隼や塩見三省、倍賞美津子と演技派で脇を固め、安心してみられそうな作品でもある。

大災害は誰もが経験することではない。だが、人の生死は誰もが経験し思い悩むこと。時にはその思いについて、ひとり静かに考えるのもいいかもしれない、と感じてしまうのであった。(2013/02/23)

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