アンノウン

Unknown 2011年 アメリカ、ドイツ作品
監督:ジャウマ・コレット=セラ
出演:リーアム・ニーソン(マーティン・ハリス博士役)、ダイアン・クルーガー(ジーナ役)、ジャニュアリー・ジョーンズ(エリザベス・ハリス役)、エイダン・クイン(もう一人のマーティン役)、ブルーノ・ガンツ(エルンスト・ユルゲン役)、フランク・ランジェラ(ロドニー・コール役)
原作:ディディエ・ヴァン・コーヴラール


観ている側はリーアム・ニーソン演じる主人公のマーティンと同じ立場なので、途中まではすっかりだまされる。物語の展開はどんでん返しの後半とも言えるが、前半の心理サスペンス風の恐ろしさは後半では半減してしまった。そこをどう観るかで意見はわれそうな映画だ。

学会に出席するために美しい妻エリザベスと共にドイツにやってきた科学者のマーティンはこの旅をとても楽しみにしていた。だが、空港からホテルに着いたとき、アタッシュケースを空港に起き割れてしまったことに気づき、一人で取りに戻った。その途中で交通事故に遭い、一時的に記憶喪失となってしまう。身分証明書も持っていなかったため、搬送された病院でも警察でも何もわからない。しかし、偶然起こったこの事故が、練りに練られたはずの大計画が狂っていくきっかけとなる。

マーティンは断片的な記憶を辿って泊まるはずだったホテルに行くが、ホテルのフロントも、妻も、出席する予定だった学会の人物も自分を知らないと言う。エリザベスは自分の夫だという男も同伴している。しかもその男は自分を名乗り、学会の人物も彼がマーティンだと説明する。誰の陰謀なのか、それとも精神異常をきたした自分の妄想なのか。存在しなくなっている自分の状況に焦りと戸惑い、混乱の色は隠せない。何とかしたいが、どうすればいいのか。そこで事故に遭った時に助けてくれたタクシーの女運転手ジーナに無理矢理頼んで協力して貰い、もやもやした記憶をつなぎ合わせながら自分と取り戻そうとするのだが、殺人事件も起こり自分が危険な立ち位置にいることを察することになる。

「記憶喪失」ものにありがちな、今思っている自分と違う自分を知ることになってしまうストーリーは、最後にどんな結末を迎えるのか、当然観ている側にも興味を持たせる。善人だと思っていたのに、実際は正反対だったら…、またその逆だったら…。隠されていた真実は本当に真実と言えるのか? マーティンが記憶を取り戻しつつある後半はアクション的な展開でラストへと続く。

マーティンの選んだ人生はどれなのか、は観てのお楽しみ。脚本はよく練られていて納得してしまうものの、先に書いた通り、感想は分かれそう。私はトータルとしては、なかなか面白かったと思うが(役者もよかった)、原作がある映画のようなので、やはり本の方がもっと楽しめるのかな、とも思う。

主人公を演じたニーソンは実は私はそう好きな俳優でもないのだが、年を重ねてとてもいい感じになったと思う。映画版の「特攻野郎Aチーム」でのハンニバル役もドラマ版のジョージ・ペパードとは全く違う印象ながら、違和感なく見せてくれてとてもよかった。
もう一人のマーティンを演じたエイダン・クイン。彼も好きな俳優ではないけど(なんとこの二人は「マイケル・コリンズ」でも共演しているから、久々の共演!)、濃い二枚目俳優の印象が強かった若い頃に比べて渋みが増した。ちょっと老けすぎていてがっかりだったけど。(2012/08/30)

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